建築地は、分譲地の1区画。北西に道路、東と南は隣家という立地。
東南西と既存の家があり、北側はこれから家が建つという状況でした。
また、南西には駐車場に使われている平地があり、日当たりも良く、景色もぬけている。
そして、大きな樹木が植えられているという好条件。

樹木を借景に、螺旋階段と抜けを配置し、窓も上下に配置。
日当たりと景色を取り入れることを一番に考えました。

そして、「大きなLDK」が欲しいというご要望を叶えるのが一番の難点でした。
予算は決まった状態でしたので、私の提案は「1階のトイレを無くす」でした。
それまでに、何かトレードオフできないか？色々と考えました。
タイル床、螺旋階段…。
「リビングを広く」という骨組みは崩すことができない中で、ご家族に適したプランとして「1階のトイレを無くす」に至りました。
理由は、施主様が20代前半でしたので、老後を迎えるのは随分と先であるという点。
そして、トイレ時間の長い人が家族にいないという点です。
提案当初はとても悩まれていましたが、お住まいになれて約1年。「全く支障ない」というお声をいただきました。

より広く見せるために、壁・床・建具・階段・キッチン・レンジフード・窓枠を膨張色の白に統一。
さらには、玄関前の壁をフロアレベル2250にして天井を繋げたり…。
視線が抜けるように窓を大きくとったり…。
さまざまな創意工夫を散りばることで、
施主様の「大きい」を叶える家になりました。