「間取り迷子」
建築地は少し高台にある大きな土地を3区画に分筆された分譲地の1区画。
北東の角地。北に交通量の多い広い道路。
東は住宅街に入るための道路、道路向かいに隣家。
西と南は分譲地の1画でこれから新しく家が建つ予定。

勉強熱心な奥様は、土地で迷子になってしまったので、
「間取り迷子」にならないよう、見学した実例やSNS、ネットを駆使しながら猛勉強されていました。
その結果…「間取り迷子になれました(笑)」と奥様。

私の提案は「北東に見える山と南東に見える空を切り取る2階リビング案」でした。
しかし、共働きであり、ネットショッピングを多用される施主様としては、毎日の物の持ち運びを心配されて迷子に。
そして、追加のご要望で「流しそうめんができる庭」。

設計士の間取りは、1階リビングで、隣家からの視線カットを考えた中庭のある家でした。
とても気に入って下さいましたが、予算オーバー。
最終的に、建物のかたちはシンプルに整え、北側の大きな道路側にリビングとお庭を配置し、フェンスで目隠しする案でまとまりました。

軒をぐっと伸ばし、玄関から入ると、どんと大きく伸びた土間。
上部を見上げるとすのこ吹抜けがあり、光を落とす。

木調の目隠しフェンスはご主人様のDIY。
愛着があって、庭との関係性も近く、流しそうめんができる家。
「間取り迷子」になっても、最後は最高の家になると確信できた貴重なオンリーワンの住まいです。