今回、おすすめ作品を教えてくださるのは、伝統的な岩絵の具とオリジナル技法を組み合わせ、壮麗で幻想的な“滝”を見事に表現した「ウォーターフォール」シリーズで知られる日本画家・千住博さん。ニューヨークを拠点に、日本画の新しい可能性を模索し続けていらっしゃいます。現在は、高野山金剛峯寺本院殿への奉納を予定している襖絵作品を紹介する展覧会が全国を巡回中(詳しい情報は後ほど)。
そんな千住さんが、作品の大ファンであり、友人でもある村上春樹さんの著書の中から特にお気に入りの3冊を選んでくださいました。
「村上作品の魅力は、古典文学が神話世界を通して伝えるような内容を、現在形で描くところです。具体的にいうと、奇想天外な登場人物が出てきて、相当無茶に作者の意図に従って再生のストーリーを進めるところで、これが醍醐味です。そして村上さんの作品は、全てが生きていく原動力を与えてくれます。」

羊をめぐる冒険/村上春樹
(講談社文庫)

友人と共に広告会社を経営する29歳の「僕」は、4年間生活を共にした妻に出ていかれ、完璧な形の耳を持つ女の子と付き合い始めたばかり。自ら手がける企業PR誌のグラビアページに1枚の風景写真を載せたことが元で、ガールフレンドとともに“星型の斑紋を持つ不思議な羊”を探す旅に出るのだが……。「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」に続く3作目の長編小説。第4回野間文芸新人賞受賞。
「主人公が、北海道の友人の別荘にたどり着き、一人になって過ごす日々のくだりは、寝る前に読むと心が癒やされます。」(千住博さん、以下同)

千住 博
SENJU HIROSHI
日本画家

東京藝術大学卒業。同大学院修了。ヴェネチアビエンナーレ東洋人初の名誉賞をはじめ、光州ビエンナーレ(韓国)、成都ビエンナーレ(中国)などに招待され、イサム・ノグチ賞、日米特別功労賞など世界から高く評価される。国内に於ては大徳寺聚光院、高野山金剛峯寺など数々の襖絵などを手がける一方、薬師寺や文化庁に作品が収蔵、また海外に於てはメトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ロサンジェルスカウンティー美術館(ロサンジェルス)、ブルックリン美術館(ニューヨーク)などで常設展示され、現代を代表する画家として世界から注目されている。





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