石川県輪島市を拠点に、"日常の生活道具としての漆器”と、本質を見据えたものづくりで、日本はもとより海外でも高い評価を得ている輪島塗の塗師(ぬし)、赤木明登(あかぎあきと)さん。今回、奥能登の山中にある赤木さんの工房を訪ね、"日常の器”をつくることの意義や漆に対する思いなどを伺いました。

左/「輪島紙衣三つ椀」 右/「桃形茶入」
“輪島紙衣”は赤木さん独自の手法。下地塗りの上に手漉き和紙を貼り、さらに漆を塗り重ねることで、従来の漆器とは異なる温かな質感を生み出しました。

上/「輪島紙衣三つ椀」 下/「桃形茶入」
“輪島紙衣”は赤木さん独自の手法。下地塗りの上に手漉き和紙を貼り、さらに漆を塗り重ねることで、従来の漆器とは異なる温かな質感を生み出しました。

現代の“日常”に合う
温かい手触りの漆。

赤木さんが漆器作家として衝撃のデビューを果たしたのは1994年、東京西麻布の老舗器店「桃居(とうきょ)」で開いた初の個展でのことでした。今まで輪島塗りでは見られなかった塗りのテクスチュアと、親しみと温かみのある形の作品が驚きをもって迎えられたのです。下地塗りの上に手漉き和紙を貼り、その上に漆を塗り重ねた独自の手法“輪島紙衣(かみこ)”によって生み出された器には、従来の漆器とは違う温かさと、漆本来のしっとりとしたツヤがありました。“正月やお祝いごとのときだけ使う特別な食器”や“ぴかぴかに磨き上げられ、豪華な蒔絵がほどこされた観賞のための伝統工芸品”という、従来の漆の概念を大きく変えるそのデビューより、赤木さんの快進撃が始まります。

赤木さんのご自宅兼工房は、輪島の市街地から車で30分ほどの、静かな山の中にあります。

左/「奥羽鉢」 右/「蝋燭の箱」

上/「奥羽鉢」 下/「蝋燭の箱」

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