189坪ある大きな敷地。その奥は斜面地で、緑地帯が広がっている。この素晴らしい素材をどう活かすかが課題でした。当初は、コストの問題もあり、2階建をご提案しましたが、土地と建物のスケール感が少しアンバランスであったことから、コストを抑えながら平屋案を再考。最優先事項は、ＬＤＫの居心地、どの部屋からも緑地帯が望める配置、そして、そのロケーションが暖炉を活かすことでした。ＴＶと暖炉との距離感に注意し、暖炉の前で本読みながらくつろげるように本棚も近くに設置。また、暖炉周りには、暖炉に負けないようアンティーク調のレンガを採用しています。
外観は、2.5寸のゆったりした勾配で、片流れ。陶器でできた艶のある黒の外壁と、天然木のレッドシダーとを組み合わせて、風合いのあるものへ。また、屋根の形状に合わせて、リビングの天井も高くし、高い空間には、ロフトもつくって、わくわくする空間へ（平屋でも立体空間を体感できるように）。塗り壁をご自身でされたいというご要望に応え、玄関と主寝室の壁は石膏ボード仕上。「住みながら」「住みやすく」「変えていく」をテーマにしています。都会の中にあるこの異空間が、日常を豊かにしてくれると感じる貴重な一邸となりました。