賃貸部分1K 18.64m²(5.63坪)〜31.14m²(9.41坪)
勾配屋根によって道路斜線制限を回避
頻繁な打ち合わせで
狭小地における問題をクリア。
最寄り駅より徒歩2分という好立地に建つ「パールハウス」は、オーナー様ご子息の住居を兼ねた賃貸併用住宅です。
敷地は狭小ながら角地で、オーナー様からのご要望は「容積率の消化」「賃貸部分は、狭くても良いので戸数重視」「自宅部分は、和室のある3LDK」というシンプルなものでした。狭小地ということで、戸数の確保には多少の困難を伴いましたが、角地の特性を活かしながら、狭小地によく見られる問題を一つひとつクリアし、敷地を最大限に活用した設計を行いました。
オーナー様との打ち合わせを幾度も行い計画を進めていくうちにできあがった、シンプルな外観からは想像がつかない、斬新な物件です。
各所に工夫を加え
省スペースに成功。
まず、当住宅は、玄関扉の数と窓の数が合いません。1階には玄関扉が6つありますが、窓はその半数の3つとなっています。
これは、住居と賃貸2戸の計3戸で、玄関扉の向こうがすぐに階段となっているためです。階段を室内に設けることで、外部階段をなくしました。これに加え、賃貸2戸にらせん階段を採用したことで、省スペースに成功。オーナー様のご要望に、ご満足いただけるかたちでお応えするため、各所に工夫を施しています。

賃貸部分1階。コーナーサッシで明るい空間に

玄関扉を開けると、らせん階段が

らせん階段を上って居室へ
住みよい空間づくりと
外観のデザイン性を追求。
屋根は、道路斜線制限(道路の日照などを確保するために、建築物の高さを規制するもの)を回避するために勾配屋根となっています。
狭小地のため、賃貸部分は決して広くはありませんが、使い勝手のよい設計を心がけました。また、日光量についてはV型コートとしたり、角地という特性を活かしたコーナーサッシを取り入れたりして、居室の採光を確保しています。
一方、ご自宅部分は3階のスカイバルコニーや大きな窓を道路軸に合わせ、外部の開放感を最大限に取り入れています。それにより、狭小地住宅ゆえの圧迫感を克服しました。
こうした工夫は、法規への対応や住みよい空間づくりのために行ったものである一方で、オリジナリティのある外観を創造する役割を果たしています。

採光への配慮が、オリジナリティのある外観をつくりあげる


自宅部分の玄関
賃貸部分の玄関。
真ん中の扉の向こうはらせん階段に