佇む〜街並に優しく〜 01
佇む〜街並に優しく〜 02
佇む〜街並に優しく〜 03

佇む
〜街並に優しく〜 広島県

多彩な植栽と自然素材が
心地よく調和する

CONCEPT

ご両親から受け継いだ土地に、美しい植栽と佇まいで馴染んでいく住まい。外観はシンプルな箱のようなシルエットに多彩な植栽と自然素材の外構を組み合わせて構成。室内もシンプルながら、家族が心地よく暮らすための仕掛けも随所に施し、街並みから外構へ、外構から室内へとつながる、敷地全体が自然と調和した空間をプランしました。

CONCEPT 佇む〜街並に優しく〜

庭から玄関前を通り、道路に至るまで、木製のアプローチデッキを伸ばしています。これは塀やバルコニー側面と同じ素材のもの。敷地の奥行きを感じさせるとともに、戸外と室内をつなぎ、気軽に出入りしたくなる仕掛けになっています。下草をデッキの下に回り込むように植えることで、緑に包まれるように印象をもたらしています。

FACADE

周囲の家のほとんどが道路側に下屋のある一戸建てであることを踏まえ、新居は1階2階とも階高を抑え、建物のプロポーションを低く設定。そして道路側から建物を後退させ、屋根を葺き下ろすことで、街並みへの圧迫感を軽減しています。

FACADE 佇む〜街並に優しく〜 01 FACADE 佇む〜街並に優しく〜 02

道路側の小さな庭を囲う塀や、ガレージ上に位置するバルコニーの側面などに、耐候性のある自然素材をアクセントとして採用。四季を彩る植栽とともに、木質感が時を経るごとに味わいを増し、より街並に溶け込んでいく佇まいを演出します。

FACADE 佇む〜街並に優しく〜 02

外構の植栽はひとつひとつ樹木医の資格も持つオーナー様とともに吟味しチョイス。シンボルツリーには、街並みとのゲートになるような枝ぶりのモミジを植えました。ベルバーンの外壁に影が落ち、低木や下草が彩りを添え、心地よい風景を作り出します。また庭、およびガレージ部分は地元のグリ石を敷いています。コンクリートにしないことで街並みに自然の趣をもたらし、落葉しても馴染むようにしました。よりシンプルな外観とするために軒樋と竪樋はあえて取り付けませんでしたが、石を敷くことで雨水も地面に還っていきます。

PLAN

道路から玄関まで伸びた木製のデッキと同じ素材を、玄関を開けた内側にも南北に長くインナーデッキとして設置。室内がまるで外からの延長のように感じられる、外構と室内の一体的なつながりを目指しています。玄関は壁で仕切らず、室内はLDKと大きな一つの空間。水回りと階段のブロックは建物西側に納め、シンプルな構成とすることで、開放感のある広々とした空間を作り出しています。

PLAN 佇む〜街並に優しく〜 01 PLAN 佇む〜街並に優しく〜 02

玄関とLDKの間には仕切りを兼ねた両面収納となる家具を造作。高さはあえて天井までとせず、玄関部分とLDKの天井をつなげてワンルームとしています。街並みに圧迫感を与えないため天井高は抑えていますが、その分、水平方向に視線が伸びやかに広がります。

PLAN 佇む〜街並に優しく〜 03

木の持つ温かみを持つインナーデッキは、杉の木をベースにし、樹脂による保存処理を施した耐候性・メンテナンス性に優れた素材です。簀状に敷いているため、取り外して掃除もしやすくなっています。

DESIGN

空間をより広く、開放的に感じながら暮らすために、室内で存在感を主張するモノ、いわゆる視覚的“ノイズ”をできる限り取り除くようにしました。例えば天井には照明を設置せず、間接照明や、必要な時にスタンドで光を取るように。またLDKでもっとも存在感があるキッチンのレンジフードを思い切って無くしたり、さらにエアコンを造作家具の中に納めたり。扉にも把手や引手をつけずにプッシュアップ式にしています。

DESIGN 佇む〜街並に優しく〜 01

レンジフードをなくすことで、すっきりとしたキッチンとなりました。排気はキッチン西側のパントリー内に換気量の大きな換気扇を配置して行います。室内ににおいがこもらず、天井も汚れず、さらにレンジフードを掃除する手間がいらないと奥様も喜ばれています。

DESIGN 佇む〜街並に優しく〜 02

玄関土間との仕切りになる造作家具も、凹凸の少ないシンプルなものに。木の質感が毎日の暮らしを温かく見守ります。造作家具の上部には間接照明が設置してあり、夜は天井を照らすことによって、十分な明るさが行き届き、安らぎのある雰囲気を醸し出しています。

DESIGN 佇む〜街並に優しく〜 03

インテリアの中で悪目立ちしてしまうエアコンは、造作家具の内部に納めました。扉を開けた時の高さも計算し、邪魔にならず、操作しやすいよう工夫されています。配管は家具の中を通り、さらに床下を通って外の室外機へつながるようにし、室内に配管が出ないように配慮しました。

DESIGN 佇む〜街並に優しく〜 04

玄関脇に小さな棚を設置。スイッチ類をまとめました。玄関照明は、棚の側面の小さなトグルスイッチで。わずかな“ノイズ”も見逃さず排除しています。

SPECIAL

自然とつながった暮らしを望まれたオーナー。植栽はあえて建物の近くに配置し、その木陰が室内にも落ちるように。部屋にいるときも自然を感じられます。室内のインテリアの木の温もりと合わさり、心地よい空間となっています。またLDKを一つの大空間とすることで、柔軟な使い方を可能にしました。テーブルを出したり、大きなクッションを置いたり、置き畳を敷いたりと、家族の成長に合わせ、様々な使い方ができます。いつも家族が集まれる場所であること、そんなLDKを目指しました。

SPECIAL 佇む〜街並に優しく〜 01

LDKは元気な二人のお子様がのびのびと過ごせる場所に。ダイニングテーブルをキッチンから離して走り回れるスペースを作ったり、布団を敷いてお昼寝したり。時にはお友達やその親御さんをよんで、ちょっとしたパーティーを開いているそうです。

SPECIAL 佇む〜街並に優しく〜 02

隣家が迫っている南側はあえて閉じ、その南側の壁のみ吸湿効果のある塗壁の美しい壁面に。オーナーがプロジェクターでここにTVを写して見られるようにしています。窓は低く抑えながら、ワイドな2枚のサッシにして開放感を創出。隣家の2階からの視線を遮りつつ、庭の木々を身近に感じられるようにしています。

担当アーキテクト

Yasuo Nakanishi

佇む〜街並に優しく〜 担当アーキテクト

プランをご提案する際、ご家族の将来のことを見据えて、現在だけでなく未来も様々な使い方ができるよう考慮しています。さらに私の場合、できるのであれば現状ある余計なものをなるべくなくすことを、お客様と十分なコミュニケーションを図りながら、ご提案しています。さらに自然素材や植栽を意識的に取り入れ、街並みと住まいの調和を目指しています。

物件データ

佇む〜街並に優しく〜 物件データ

家族構成/夫婦+子供2人
所在地/広島県

敷地面積/174.84㎡
延床面積/117.00㎡
取材年月/2020年10月

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