立体志向住宅大阪府

光と風と緑を縦横につなぎ、
都市にあって空を愉しむ家

CONCEPT

都市にあってプライバシーを守りながら、光と風が行き交う開放的な家を。
オーナーの想いに応えるために縦と横の空間を立体的につないだ、3階建て住宅をプランしました。
南北に長い敷地の中央に中庭を設け、その中庭を通じて、光と風、そして緑の息吹が住まいの隅々に行き渡ります。
また、刻々と移ろう空の様子も暮らしの中で感じることができる贅沢な心地よさを実現しました。

階段スペースとリビングダイニングの間は通常壁となるところを、FIXのガラス窓に。階段スペースをリビングに取り込み、空間に広がりを持たせながらも、両サイドの階段室へのドアを閉じれば、空気や音の流れを遮断。冷暖房効率や防音効果もアップします。

FACADE

周辺の街並みに調和しつつ、個性を表現するように。
無機質な3階建ての建物が風景に圧迫感を与えないよう、一見、2層に見える印象のシルエットをデザインしました。
二つのボックスを組み合わせたイメージで、さらに手前のボックスはホワイトに、奥のボックスはブラックにすることで、3層の印象を薄め洗練されたモダンな佇まいとしています。

バルコニーは外壁によって囲い、外からの視線を遮りつつも、小窓を開けてアクセントとするなど、街並みに調和するデザインに。駐車場の奥には人の暮らしの気配が感じられます。東側の玄関へのアプローチは長く取り、住まいの奥行きも演出しています。

PLAN

南北に長い敷地の中央に中庭をプラン。
道路側に、1階は駐車場、2階はバルコニーと洋室というように、ボリュームを持たせました。
それによりリビングダイニングは街から一定の距離を置いた、落ち着いた空間に。
しかし3階部分はL字とし、空に抜けた部分とリビングダイニングの吹き抜けの位置を合わせることで季節ごと、時間ごとの自然の変化を室内で感じられる開放感を実現しました。

中庭に植えたシンボルツリーは、季節ごとの美しい姿を見せ、暮らしと自然を間近なものとします。中庭と駐車場の間は完全に仕切らず、上部を開けることで、視線を遮りつつ、街の気配が室内から感じられるようにしています。

DESIGN

南北に長い敷地の奥行きを存分に活かしてゆとりと落ち着きを感じさせるために、随所で視線の抜けをデザインしました。
例えば、1階の玄関ホールから南北に通る廊下の北端に地窓をプラン。
地窓の外側の部分の塀は吹き付けとし手前に配した四季折々に変化する植栽が、気持ちよく視線を誘導します。
空間をシンプルで美しく見せるため、ドアなどインテリアの要素を整理するなど、ディテールにまでこだわりました。
床のタイルと壁の白さが美しく続くイメージを演出しています。

キッチン西側には木で覆われたボックスが。これは食器棚や調理家電、冷蔵庫等を納めたパントリーで、シンプルでナチュラルな木の”箱”のイメージ。この壁は吹き抜けの3階まで伸ばし、縦に伸びる空間のアクセントとしています。

SPECIAL

ダイニングテーブルにつくと、吹き抜けの窓の向うに都市の空へと視線が抜けていきます。
3階建てを立体的にプランすることにより、外からの視線は気にせず、住まう人だけの空を実現しました。
西側を吹き抜けとしたことで東から射す午前の光が西側の大きな壁に美しく映え、リビングダイニング全体が、柔らかな明るさに包まれて気持ちのいい一日が始まります。