白い空間に包まれる、
くつろぎの邸
街の中心地とは思えない落ちつきと、優美でエレガントな空間、そして、守られているという安心感につつまれる邸宅。
大理石などの素材感へのこだわりとバレエスタジオ、ジャグジーといった機能への要望を融合させる空間づくりを心がけました。
一歩足を踏み入れると都市部であることも忘れてしまう、のびのびと安心して過ごせる住まい。
その思いから、コートハウスをベースにプランニングしました。
家族やゲストが集うリビングは、床高を2段下げ、アールのついた天井にやさしく包み込まれているようなピットリビングを提案。
じつはこの段差がポイントで、段差があると人は座りたくなります。
そして座ることで目線が変わり、新鮮な気分が味わえますし、人との語らいも生まれます。
気がつけば家族やゲストが集まってくる。
そんな空間を思い描いて設計しました。
コートはLDKの床の高さとフルフラットにつながり、テラスやシンボルツリーの周りにも段差をつくり座れるようにすることで、室内との一体感を高めています。
天気のいい休日は家族でそろってコートに出てテーブルでランチをいただいたり、ジャグジーを楽しんだり。
ジャグジーはお嬢様方の強い要望と、ジムに通うご主人の「家にもプールがあったら」という一言から設置。
快適性のため屋根を設けています。
室内のバスルームともつなげ、自由に出入りできるようにしています。
ライトアップした庭とわが家を見ながらジャグジーを楽しめば、ここが街中であることも忘れてしまいそう。
そんな、眺めるだけでなく空間と一体になって楽しみ、味わう遊び心のある庭をつくりました。
コートには、目線と気分に新鮮な変化をもたらすため、随所にさりげなく段差を設けています。
LDKは壁や天井、照明器具まで白で統一。
純白の大理石が足下に広がり、白い和紙のロールブラインドが光を和らげます。
大理石の床材とウォールナットの建具をベースにエレガントでありながら華美になりすぎない、しっとりした上質の空間を心がけました。
大理石は奥様が強くこだわられたものですが、バレエをされるお嬢様方の足を冷やさないよう床暖房を入れるなど、配慮しています。
バレエルームの設計にあたっては、プライベート空間にするのか、教室としての用途もお考えなのか。
使うのはお嬢様だけか、大人も使うのか。
などの条件によって、広さや天井の高さ、鏡の高さが変わってきますし、もし教室で使うなら玄関脇に設けた方がいいなど、間取り全体にも影響しますので、綿密に打合せをとりながらプランニングしました。
子どもの頃に感じた食卓の匂いや、軒下の風鈴の音、草の匂いや、虫の声。住まいを通して、そこで暮らす家族の「原風景」をつくっていきたいと思っています。
家族構成/夫婦+子ども3人
所在地/和歌山県
敷地面積/420.89㎡
延床面積/367.60㎡
取材年月/2013年10月