都市の中で、
ゆたかに暮らす
視線を遮る。視線をつなげる。
自然光が降りそそぐ。雨の日も楽しめる。
壁に囲まれる。風が通り抜ける。
住居や店舗、集合住宅が建ち並ぶ街の中で広く、伸びやかに、気兼ねなく暮らしを楽しむために、バルコニーを外壁で半クローズドにした「外室」を設けました。
さらに、インテリアや生活動線、ガレージへのオーナーの強いこだわりに、3階建てのポテンシャルを生かしたゆたかな空間づくりで応えています。
囲まれている安心感と街につづく開放感。
そんな相反する居心地を叶えるのが「外室」です。
東面にトンネル状の外部空間をくり抜くことで外なのに室内のような居住性を創出。
さらに2階部は軒のない南側が吹抜けとなり空につながるので、風と光にあふれた“外ならでは”の心地良さも実現しています。
リビングと大開口でつながることで室内の空間が広がります。
外室の床はイエローパイン材。積水ハウスのスタッフとご夫妻、ご夫妻の友人が集まり、みんなで板を張りました。
インテリアに造詣の深いオーナーのこだわりにお応えし、2階リビングの階段側の壁には古材をアクセントに使用しています。
ファサードから玄関、階段と白を基調としたスタイリッシュな空間を通りリビングを訪れたゲストを、自然素材ならではのやさしい雰囲気でお迎えします。
キッチン側の壁は、調理中でもお子様の様子を見守りたいという奥様のご要望に応え、大胆なミラー張りに。
左右に3階建て住居と5階建てマンション、道路を挟んで集合住宅に囲まれた立地のため、少しでも往来への圧迫感をなくし、柔らかな空間をと、可能な限りセットバックし、前庭を設けました。
カエデやアオダモなど植栽にこだわる一方で、ベンチを造作して設置し、空間としての庭の存在感を高めています。
白いスクエアなフォルムと凹凸のないプレーンな表情は、集合住宅も多い街の環境に配慮して提案しました。
ガレージの木質シャッターが白い壁の美しいアクセントとして映え、前庭の緑とあいまって、柔らかな表情を醸し出します。
時間や天候を気にせず趣味の車いじりに没頭したい。
3階建てプランを提案した一番の理由が、そんな、ご主人のガレージへの思い入れでした。
3階建てにして、生活空間を2階3階に上げ、1階スペースのほとんどをガレージとして活用。
車2台を停められる広々とした空間で心ゆくまで車と向き合えるように提案しました。
さらに小さな書斎を隣接させ、コーヒーブレイクや車仲間との時間も気兼ねなく楽しめるよう演出しています。
住まいとはクライアントと価値観を共有して創っていくものだと思います。出来上がったものは動かず、風景を変えます。その責任の重さを忘れる事なく創っていきたいと思います。
家族構成/夫婦+子ども2人
所在地/大阪府
敷地面積/125.06㎡
延床面積/183.67㎡
取材年月/2014年12月