住まいスマイル埼玉 / Sumai smail in SAITAMA
笑顔あふれる住まいづくり情報 Sumai smile
 
住まいスマイル 過去のイベントの様子
2006年11月4日(土) 「心地よく暮らす収納スタイル」
住まいづくりの幅広いアイディア・エッセンスをお届けする「sumai smile event」。
今回は、住まいづくりのアイデアとして「収納」をテーマに取り上げました。
モノを上手に収納するために、まずはモノに対する考え方を少し変えてみませんか?
意識を変えて、捨て方上手になることは、快適な生活を実現することにつながります。
第1部「捨てる技術で快適な住まいを手に入れる」
 第1部では、『捨てる!技術』の著者であり、作家、マーケティングプランナーとしてご活躍中の辰巳渚先生に、快適な住まいのためのモノとのつき合い方と収納についてお話していただきました。
『モノと私の関係を考えてみましょう』
 はじめに辰巳先生がお話くださったのは、「モノってなんだろう?」ということでした。「'私の周りにあるモノは、私が選んで使っているもの'。ということは、身の回りのモノたちは、人それぞれの人生観や価値観、自分自身までをもしっかりと反映しているといえます。」言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、目から鱗がこぼれる思いがするお話でした。
モンゴルの遊牧民族が本当に少ない家財道具を持ち運んで暮らしているのに対して、日本の一般的な住宅におけるモノの過密ぶりなどもご紹介いただきました。モノに頼りすぎている日本人の暮らしぶりを目の当たりにすると、見ているだけで恥ずかしい気持ちになります。また、「場所があると、それだけモノを詰め込んで腐らせてしまう(使わないで終わってしまう)という人の性癖を認識すべき」というお話もありました。

公演風景:辰巳 渚さん
『どうしてすっきりしないのか?考え方を整理しましょう』
 家がすっきりしないのはどうしてでしょう。「狭すぎる」「収納場所がない」「そうじが嫌い」「もったいなくて捨てられない」こうした答えが挙がりそうですが、それに対し辰巳先生はこう考えます。「たとえば、広ければすっきりするのでしょうか。収納場所は使いこなせている?清潔ならすっきり?死蔵することは大切にしているといえる?違うと思います。要するに、家をすっきりさせるためには、使いこなせる量・管理できる量を持つことが必要なのです」と。
ついで、捨てるという発想のための11の基本ポイントをお話いただきました。「'とりあえず取っておく'は禁句」「持っているものはどんどん使う」「収納法・整理法で解決しようとしない」「'これは捨てられるのでは'と考えてみる」「'もったいない'で封印しない」など。こうした発想で捨てることが、「使わないものは持たない、使うものを持つ」というライフスタイルにつながるのだと気づかされました。

さらに、捨てるための方法として「使える」と「使えない」、「使う」と「使わない」の分け方や、暮らしの中に持ち込まれたモノがどのようなフローで使い切られていくのか、といったお話もしていただきました。「適量のモノを持つことができれば、収納のテクニックというものはささいなこと」というお考えの辰巳先生ですが、4つの収納のルールを教えてくださいました。
(1) 使うものをしまう
(2) 使う量だけしまう(一定量を決める)
(3) 使う場所にしまう(定位置を決める)
(4) 使いやすくしまう(出しやすく戻しやすく動きやすく)
'捨てる技術'と'使うための収納ルール'は参加者の方々の心にも響いたようで、質問の時間には、「洗剤が好きで安いとつい買ってしまう」「本がどうしても増えるし、捨てられない」といった悩みを打ち明ける方々も。辰巳先生も親身になって答えてくださり、参加者の方々はモノに対する考え方がすっきりしたのではないでしょうか。

第2部「ライフスタイルから考える収納計画」
 第2部では、積水ハウスで住宅設計に携わっている埼玉南シャーウッド住宅支店設計課の佐藤秀安先生にご登場いただき、収納の基本とライフスタイルのあった収納計画の実例をご紹介いただきました。
『信頼できるパートナーを見つけてください』
 まず、収納に関する基本からテクニックまで、さまざまなお話をいただきました。その中で最初に言われたのは、「'収納量''収納場所''収納形式'の3つの視点から考えると、暮らしにあった収納計画は意外と簡単」ということ。
でも、佐藤先生がこれらを十分に検討して収納計画をしても、完成後に「住んでみたら収納が足りなかった」と言われることがあるそうです。それは、住まい手の方が収納場所に入るだけ詰め込んでしまうのも大きな原因だとか。無意識でいると、住んでいるうちにモノは増えていきます。辰巳先生のいわれた「使いこなせる量、管理できる量を持つ」を徹底する大切さを改めて実感させられました。
分散収納と集中収納を使用頻度によって使い分けて'収納場所'を計画するといいこと、奥行きが'収納形式'を考えるときのポイントであることなど、基本を押さえた上で、各部屋の収納計画のコツについてもご紹介いただきました。

佐藤先生が設計された実例では、さまざまな収納の工夫がみられました。特に敷地面積19坪の実例では、ユニークなアイデアも。ガレージの車上部のデッドスペースを有効活用したスペアタイヤの収納、階段15段の各ステップ下(蹴込み部分)の引き出し収納、畳下収納、そしてドラム式で前面から出し入れする洗濯機は、壁面の少し高い位置に組み込まれていました。

公演風景:佐藤 秀安さん
体験会風景
最後に、佐藤先生が「設計者と上手にコミュニケーションをとることが収納計画成功の秘訣。ぜひ何でも言える家づくりのパートナーをみつけてください」と力説されると、辰巳先生が「そして、完璧を求めすぎないこと。7割OKで良しとして、あとの3割は住みながら理想の家に仕上げていくという気持ちでいるといいんじゃないでしょうか。それと、家を建てると決めたらモノとの関係を見直して、引越しの時にはゴミがでないようにしておくことですね」と言葉を添えられました。
【プロフィール】
辰巳 渚先生
作家・消費行動研究家
雑誌記者を経て、フリーのマーケティングプランナーとして独立。ライフスタイル変遷の検証、分析が得意。モノ余り時代の新しい生活哲学を提唱した著書『捨てる!技術』はベストセラーに。このほか『いごこちのいい家に住む!』『子どもを伸ばすお片づけ』など著書多数。
辰巳渚オフィシャルサイト
佐藤 秀安先生
積水ハウス 埼玉南シャーウッド住宅支店 設計課
入社以来、個人住宅から店舗併用住宅、展示場まで幅広く設計を手掛けてきた。平面的な要素をプランニングするだけでなく、空間を演出することを心がけて設計に取り組んでいる。