住まい学大系101 
『五一C白書 私の建築計画学戦後史』
鈴木成文著
定価本体3000円+税
仕様:小B6判 本文444頁+栞32頁 上製本ジャケット付き
発行:住まいの図書館出版局
発売:株式会社ラトルズ    

日本人の住まい回復を目指して鉄筋コンクリート造公営住宅普及のためにつくられた1951年度C型標準設計。当事者が書き下ろした建築計画学の戦後から現在に至る全史。

戦後初期、鉄筋コンクリート造公営住宅普及のために1951年度の標準設計がなされた。初めてつくられた1949年度の型の和室二間、台所という昔ながらの間取りから脱して、日本人家族の新生活にふさわしい理念的裏づけに徹する設計だった。寝食分離と親子のプライバシー確立を目指したA、B、C 3タイプのうち、最も多く建設された最小規模のC型プランが戦後60年の今日まで繰り返し論議されている通称「五一C」である。これが現在の間取りに受け継がれていると見られる所以である。

東京大学吉武泰水研究室において、吉武氏とともにこの設計に全力を尽くした著者が、当時の状況を可能な限り再現し、さらにその後の建築計画学の流れと展開を逐一書き下ろした。年譜、事項・人名解説もすべて著者の手による労作であり、論議の前にまず資料を、とくに若い読者に手渡すことが本書の目標となった。多くの日本人が一切を失った戦後の生活現場がここにある。

〈目次〉
  • 年譜
  • 第一章 戦後復興と公営住宅
  • 第二章 建築計画学の発進と「五一C」設計
  • 第三章 住宅の商品化と「nLDK」
  • 第四章 住み方の多様化と順応型住宅
  • 第五章 領域論と住居の開放性
  • 第六章 建築計画学の理念
  • 事項・人名解説
  • 参考文献・主要論文・研究報告 

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装幀/山口信博 


鈴木成文(すずき・しげぶみ)
1927年東京生まれ。1950年東京大学第一工学部建築学科卒業、55年同大学大学院(旧制)を終えて、57年大阪市立大学理工学部建築学科専任講師、59年東京大学工学部建築学科助教授、74年教授、88年定年退官、東京大学名誉教授。神戸芸術工科大学設立準備委員として吉武泰水氏の下、同大学の創設に参加、89年開学に伴い神戸芸術工科大学教授、環境デザイン学科主任、95年副学長を兼務。98年定年退任と同時に同大学学長、神戸芸術工科大学名誉教授。02年任期を終えて退任した。工学博士。日本建築学会・芸術工学会名誉会員。財団法人住宅総合研究財団理事。
 太平洋戦争後間もない東京大学卒業時より、吉武泰水助教授(当時)の下、建築計画学の理論確立に参加すると共に、戦後復興期における住居ならびに学校・病院等の公共施設計画の研究に従事、公営住宅初期の標準設計「五一C」型の設計には研究室の一員として参加、その後一貫して住居および集合住宅研究を推進すると同時に建築計画学研究の理論化に努めた
  東京大学退官後は神戸芸術工科大学において「芸術工学」の発展とその教育に尽した。79年には「集合住宅に関する一連の研究」により日本建築学会賞(論文)を受賞、01年には「住まいを中心とした建築計画研究の確立と建築教育の発展に対する貢献」により日本建築学会大賞を受賞した。

主な著書
『集合住宅 住戸』(1971年、丸善)、『集合住宅 住区』(共著、1974年、丸善)、『建築計画』(共著、1982年、彰国社)、『「いえ」と「まち」―住居集合の論理―』(共著、1984年、鹿島出版会)、『住居論』(共著、1987年、彰国社)、『住まいの計画・住まいの文化』(1988年、彰国社)、『集合住宅計画研究史』(共著、1989年、日本建築学会)、『芸術工学概論』(共著、1990年、九州大学出版会)、『住まいを読む―現代日本住居論―』(共著、1999年、建築資料研究社)、『住まいを語る―体験記述による日本住居現代史―』(共著、2002年、建築資料研究社)、『「51C」 家族を容れるハコの戦後と現在』(共著、2004年、平凡社)など

関連リンク:文々日記 日々是好日 (鈴木成文オフィシャルサイト)


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