「職」と「住」の理想的なカタチを実現するには、2つのエリアの距離の取り方が重要です。基本的なゾーニングは3つに分けられ、そのパターンや敷地条件に合わせて店舗と住まいそれぞれのプランニングも大きく変わってきます。 また、屋内での空間接続や空間の共用をどのように考えるかも大切なポイント。ちょっとした工夫で暮らしやすさ・働きやすさに大きな差が生まれます。
「職」と「住」の分離を明確にしやすいパターンです。集客に有利な1階部分を店舗に、上階を住居エリアにするのがオーソドックスですが、業種や周辺環境によっては上下逆転が有効な場合もあります。3階建なら住居エリアにも余裕が生まれ、理想の暮らしが実現しやすくなります。
店舗スペースに広さが必要な場合や複合型の店舗を計画する場合に有効なパターンです。「職」と「住」のエリアを明確に分離することも可能ですが、内部接続を巧みに計画して店舗と住居を往来しやすくすれば、毎日の暮らしの利便性を高めることができます。
コンパクトなスペースで店舗エリアを展開できる場合に有効なパターンです。住居エリアをゆったりと計画でき、店舗フロアを「職」と「住」の中間領域とすることで接客にも家族の生活にも使える汎用性の高い計画にすることも可能です。
道路に面して店舗の入口と住居の玄関が横並びになることが多いため、住居玄関のプライバシーが守りにくくなりがちです。店舗入口は集客のしやすさを考え、間口の広さを活かして開放的に計画。逆に住居側は、玄関の方向を変えたり、袖壁や外構植栽などで、道路からの視線を適度に遮る工夫を行ないます。
間口に余裕があるため、建物の横に外階段を設けることが可能。上下階分離の特性に合わせて、住居玄関を2階にするのが有効です。「職」「住」の分離感も高まり、プライバシーも確保しやすくなります。また、内部階段も計画しておけば、日頃の「職」「住」の行き来や雨天の時にも便利に使えます。
敷地間口が限られている場合は、できるだけ店舗の開口部を広く確保できるように、住居玄関を建物の奥に計画するのが有効。側庭を住居用のアプローチとして計画すれば、長さを活かして趣のある雰囲気に仕上げることもでき、何より家族が店舗を気にすることなく出入りできるのがメリットです。
敷地の両側が道路に挟まれている場合や角地の場合は、営業面からも計画面からも大変有利な条件と言えるでしょう。アプローチ計画では、店舗入口と住居玄関を建物の別の面に設けるのが基本。人通りなどの状況を見極めて、店舗と住居それぞれに適したプランニングを行なうようにします。
店舗近くに住居リビングを設ければ、特別なお客さまを応対するVIPルームとしての活用が可能。また短時間設定で従業員の休憩シフトを組まれている場合など、休憩室としても利用できます。
店舗と住居の接続部分に和室を設ければ、飲食店の和座敷や美容室の着付室としての活用が可能。住居としても店舗としても、常時使用することの少ない和室の有効性が高まります。
公私共にお客さまの多いご家族なら、店舗エリアに隣接させて玄関ホールを設けるのが有効。店舗営業中にプライベートなお客さまが来られた場合でもスムーズに応対できます。
子育て中の奥さまが店舗でのお仕事もされている場合、子育てスペースを兼ねた家事室を店舗に隣接させるのが有効。子どもの気配も伝わりやすく、安心感も効率も高まります。