眺望がもてなす家 神奈川県

CONCEPT

一歩、玄関を入った瞬間から、海と山が織りなす風景が、吹き抜けの窓からまばゆい陽光とともに目に飛び込んでくる。
相模湾を望む閑静な高台の角地という立地を得てどの風景を切り取るか、眺望を考え抜いた住まいです。
眺望による“もてなし”が訪れた人に新しい元気を与える、住む人を癒す。
移り変わる光の色、オーナーのご趣味のクラシック音楽と波の音が奏でる二重奏、そして家の中を吹き抜ける潮風。
五感で味わう贅沢をこの住まいに込めています。

住まいの随所に眺望を楽しめる場所を。暮らしの中に自然の息吹がとけ込む、明るさいっぱいの空間としています。

VIEW

計画にあたっては360°眺望が楽しめる立地にあって、それを最大限に生かすべく、窓の位置を綿密に検討。
敷地に残っていた建物から見える風景を確認、何度も試行錯誤を繰り返しました。その結果、建物の向きはあえて海を真正面にせず、山と街も大切な眺望として組み込みました。
海だけの眺望では単調となり、夜は暗闇となってしまうと考えたからです。
昼、明るい陽光が射し込み、きらきらと輝く海とそよぐ潮風が暮らしを彩る。夕、山の端に美しく日が沈み赤く染まる。
夜、真っ暗な海を背景にマリーナの灯りや灯台の光、そして漁り火も心を癒やす。
1階ゲストルームと2階リビングダイニングは、東側の山からマリーナの風景、そして海を行く船や空飛ぶ鳶、そして西側の山に至るまで、眺望を五感で感じ、ドラマチックな一日を過ごせる場所としています。

1階のテラスに出れば、きらめく海と緑の眺望が。爽やかな潮風と暖かな陽光を五感で感じ、ゆったりとした時間が流れます。

1階はゲスト専用のパブリックなスペースに。階段下のチェアやソファ、ダイニングテーブルと、居場所を多く設けて、ゲストが思い思いの場所に座り、眺望を愛でながらお茶を楽しみ、語らえるようにしています。

PLAN

1階はゲストをもてなすパブリックなスペースにしたのに対し、2階はご夫婦のメインの生活空間となるプライベートなスペースに。
フロアを上げたことにより、より眺望を楽しむことができます。
外部を気にせず楽しめるシアタールームやオーシャンビューのバスルームが、住まいでの贅沢なくつろぎを彩ります。
洗濯物を洗う、干す、しまうなどの動線をスムーズにした家事スペースやエレベーターなど住まいとしての暮らしやすさも押さえています。

2階リビングダイニングへの入り口の扉には、ブルーをアクセントとしたステンドグラスをはめ込みました。室内にあふれる光に変化を与えながら、プライベート空間への期待感を高めています。

キッチンからも眺望が。2階ダイニングの前の窓には約6メートルのシュロの木の緑。2階の床はウォルナットのフローリングで木の風合いを重視。それらを眺望のフレームにすることで、南国リゾートの雰囲気を醸し出しています。

FACADE

建設地は古くからの高級住宅地であり、街並の景観を守るための様々なルールがありました。
その中で周辺環境に調和しつつ風景に映えるシルエットを意図しています。
質感のある白い外壁が空と海の青、そして植栽の緑の中で南国らしいモダンさと軽やかな印象で美しく存在感を発揮します。

1階のテラス、そして2階のバルコニーを広く取り、海辺の明るい日射しと優しい潮風が訪れる、リゾートホテルで過ごすような時間を演出しました。2階西側のボックスになった部分はバスルームで、視線を気にせず、オーシャンビューのバスタイムを楽しめます。

保存を義務づけられた石垣と植栽を組み合わせて、通りからの視線をコントロールしながら、玄関アプローチを演出。

SPECIAL

リビングダイニングに加えもうひとつの眺望ポイントが、2階北西側にプランした、ご夫婦の寝室。
部屋のコーナーにとった窓からは敷地内に植えた桜の木の向こうに江ノ島が望め、空気が澄んだ日には、その上に大きく富士山も見える、この家のもうひとつの眺望のポイント。
プライベートな時間にも心ゆくまで眺望を楽しめます。