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住まいのコラム

ひげおっちゃんの住まい雑記帳 バックナンバー

Vol.11

子ども部屋

最近は家族のコミュニケーションを大切にした住まいが増えているようです。そのことを裏付けるように当社の2006年の建築実績でもリビングやダイニングに階段を設け、積極的に家族のふれあいを図ったプランが25.4%もあったのです。でも家族のコミュニケーションが大切であるにしては少し安易に子ども部屋を作ろうとしてはいないでしょうか。
例えば子供部屋にテレビや電話まで備えることは、子供に一人でいなさいと言っているようにも見えます。子どもが自分の居場所を持つことは自立へのステップアップになることは確かです。でも子ども部屋を作れば、子どもの自立心が高まり、よく勉強するようになるということでもないようです。欧米では子供部屋は子供の寝室であると割り切っているといいます。

イメージ子どもの成長に合わせて子どものための空間を考える場合、私は二つのポイントを大切にして設計することを心掛けています。
その一つは広くは作らないということ。まず子ども部屋=子どもの寝室を基本として勉強する部屋ではないと考えて計画をスタートします。その代わりにリビングやダイニングを広く快適にしてその中にわが家流の勉強のための空間を作っていくのです。二階に勉強やパソコンのコーナーがあるサブリビングを作るのもいいでしょう。子どもは家族の姿を見ながら成長するのが良いのです。親にとっても子どもの姿を見守れるとは良いことではないでしょうか。

二つ目は子どもの意見を聞きながら作るということです。
親が勝手に決めてしまうとせっかくの自立への芽が摘み取られてしまいます。子どもがまだ幼いときは絵本を読み聞かせるように自分の居場所への夢を聞き出す程度ですが、それでも子どもにはとても嬉しい記憶として残るはずです。小学生ぐらいになると具体的なことまで話し合えるようになります。そこで部屋の掃除など管理のルールなども話し合って約束をしておくのです。そうすることで暮らしがわかっていくのです。
イメージ 哲学者ルソーは「子どもを不幸にする確実な方法は何か。それはいつでも何でも手に入れられるようにしてやることだ」と言っています。子どもに子ども部屋を与えたという結果より、どのようにして子どもに部屋を与えたらいいのかという考える過程をより大切にしたいと思います。


プロフィール
渡辺 幸次(わたなべ こうじ)

1947年12月千葉県生まれ。千葉大学工業短期大学部工業意匠科卒。 専門はプロダクトデザイン。積水ハウスではアパートの部材設計をスタートに主に団地計画や住宅の内装部材、設備などの開発に従事してきた。その間に海外向け住宅や寒冷地住宅などの開発も手がけている。納得工房には企画段階から参加して現在に至っている。モットーは住まい手と共につくる住まいづくり。