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住まいのコラム

ひげおっちゃんの住まい雑記帳 バックナンバー

Vol.6

階段

わが家の象徴としての階段上下階の空間をつないで行き来が出来るようにするのが階段の働きですが、階段のある場所やデザインを観ると住まう人のわが家づくりへの思いがとてもよく伝わってきます。

■わが家の象徴としての階段
玄関ホールやリビングに設けた階段にはわが家の象徴性や家への憧れが表れます。特に玄関ホールにある階段は必ず家族や訪れる人の目に触れるのでシンボル性を発揮するには最適です。よりダイナミックな空間を演出したい時は吹き抜けと組み合わせて立体的に階段廻りを考えてみます。玄関土間に立ったときにどのように見えるか、どう見せたいかといった見せ方の工夫が大切です。
例えば階段廻りを好きな絵などを飾ってギャラリーにするのもいいでしょう。そうした配慮をしながら手すり一つに至る細部まで、わが家らしさへのこだわりと工夫を凝らしてみてください。

■生活しやすさを考えた階段
一階にパブリック空間を設けて二階にプライベート空間を設けた家でも、洗面・浴室は1階にあるのが一般的です。玄関ホールはその家を訪れるお客様の最初のおもてなし空間です。そこに階段があるとお風呂に入っている最中に急なお客様が来た時は、二階に上がって着替えもできずにパジャマ姿のまま右往左往してしまいます。もてなし空間から見えにくい場所に階段を設ければそんな事態から避けられます。プライベート空間の中にある階段ですからシンプルなデザインで昇降しやすさ、上下階の連絡のよさを大切にして階段を考えましょう。

家族のコミュニケーションを考えた階段 ■家族のコミュニケーションを考えた階段
近年は家族の交流を住まいづくりの中心に考える人が多くなりました。コミュニケーションを取りやすくする方法の一つとして家族が顔を合わせることの多いリビングやダイニング廻りに階段を設けることがあります。
子どもがまだ小さい場合はキッチンをしながら子どもと対話ができるダイニング廻りに階段がある場合が多いようです。部屋の中に階段があると冷暖房効果が気になるという人は天井にファンをつけるなど熱を循環させる工夫や見えにくい場所にドアやカーテンを仕掛けて、いざという時は間仕切れる工夫を考えてみてください。
そしてなんといっても団欒や食事の場の中に上下階への通路をつくるのですから、その場の雰囲気を最大限大事にして階段の位置を決める配慮が大切です。

■楽しさの演出としての階段
わが家らしいオリジナリティにあふれた階段を考える人たちも増えました。例えばらせん階段は楽しさのあふれる雰囲気が出しやすい階段です。普通は階段廻りに面積を割けない場合に使われることが多いのですが、吹き抜けと合わせて考えると動的な雰囲気のある空間をつくることができます。ストリップ階段(階段の裏側が見える階段)は空間を広く強調して見せてくれます。わが家だけの手すりのデザインを考えてもいいでしょう。踊り場を少し広めにとって踊り場書斎を作ってもおもしろいですね。一段一段をベンチと考えて階段をつくれば子どもたちの遊び場になります。
住まう人のわが家への思いが意外なほど表れるのが階段です。暮らしの一部として考えることで、今まで思いもしなかったわが家にしかない階段が新鮮な感動とともに誕生します。

プロフィール
渡辺 幸次(わたなべ こうじ)

1947年12月千葉県生まれ。千葉大学工業短期大学部工業意匠科卒。 専門はプロダクトデザイン。積水ハウスではアパートの部材設計をスタートに主に団地計画や住宅の内装部材、設備などの開発に従事してきた。その間に海外向け住宅や寒冷地住宅などの開発も手がけている。納得工房には企画段階から参加して現在に至っている。モットーは住まい手と共につくる住まいづくり。