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住まいのコラム

ひげおっちゃんの住まい雑記帳 バックナンバー

Vol.4

食空間を考える

キッチンやダイニングなど、いわゆる食空間には料理や食事をするだけではなく、家族が集い、コミュニケーションし、絆を深める重要な役割があります。そのために食空間は居間(リビング)とセットとして住まいの中心に位置して考えるのが一般的となっています。
そう考えていくと、キッチンやダイニング計画は単にシンプルさや合理的な流れ、収納のしやすさだけでは決まらないことが分かります。快適な食空間を創るためには、利便性や作業性を追求することはとても大切です。
でもより豊かな暮らしのためには、それ以上に楽しみ方・集い方の演出方法や、家族の関わり方をどのように考えるかといったことがもっと重要になります。“誰が” “誰と” “誰に”“どんな料理を”“どんな関係でもてなしたいか(キッチンとダイニングの関係)”ということと、“もの(食材・食器・調理器具とその収納方法)との関わり方”で決まるといってよいでしょう。
そうしたことがわかってくると、キッチンにどんな設備が必要か、収納はどの場所にどれくらい必要か、他の部屋とのつながりをどうしたらいいのかが見えてきて、自然に食空間のカタチが表れてきます。

更に食空間は日常生活の場だけでなく、正月や誕生会といったホームパーティや友人知人とのもてなしの場へと変身させることもあるでしょう。仲間と一緒に料理やお菓子を作りたいと思っているならば、作る楽しみとともに食べる楽しみも満喫できる空間に変身させたくなります。そういった特別な日にも十分に対応できる空間づくりを心掛けたいものです。
こうしたいつもとは違う出来事への対応方法こそ、わが家流の楽しみやこだわりを大いに発揮したいところであり、豊かな食空間ができるかどうかのポイントですから大切に考えてください。

住まいづくりで、ライフスタイルから発想することを最も要求される場が食空間です。家族みんなが幸せな時間を共有できるような場として、理想の食空間を思い描いてみてください。これから将来の暮らし方までをよく想像しながら、キッチンやダイニングに取り入れる設備機器類や家具、収納など、具体的なものごとについて考えるようにしましょう。
一言で云えば、ハードよりソフトを重視して食空間を考えるということです。暮らし方をきちんと決めてから、モノを考える我が家流の住まいづくりを楽しんでください。

プロフィール
渡辺 幸次(わたなべ こうじ)

1947年12月千葉県生まれ。千葉大学工業短期大学部工業意匠科卒。 専門はプロダクトデザイン。積水ハウスではアパートの部材設計をスタートに主に団地計画や住宅の内装部材、設備などの開発に従事してきた。その間に海外向け住宅や寒冷地住宅などの開発も手がけている。納得工房には企画段階から参加して現在に至っている。モットーは住まい手と共につくる住まいづくり。