「傾聴」… 設計段階で最も大切なことだと思います。ここでいう「傾聴」とは単純に施主様の話をよく聴く、ということだけではなく、言葉の裏に隠れている真意を汲み取ったり、施主様の話には直接、出て来なかった内容についても、施主様の表情や、現状の住まいの状況、周辺の環境を見るなどして、設計者として事前に感じ取るということです。
なかなか難しいことではありますが、設計の醍醐味の部分でもあります。
どんな空間を設計すれば良いかが汲み取れれば、後は具体的なプランの検討・デザインを考えることになります。常に、しっかりと「傾聴」出来る高感度のアンテナを広げて設計を始めることが私の設計士としてのポリシーです。
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高校3年のころから、漠然と「建築の仕事って面白そうだな」と少しづつ建築の世界に興味を持つようになりました。当時、医療関係や人間工学にも興味があったり、美術や歴史や音楽も勉強してみたいな、等、色々な分野が気になっていました。しかし建築学科のことを調べてみると、人間工学はもちろん、美術や歴史の授業もあるなど、建築とは総合的で人間に密着した学問なんだというイメージが出来上がり、進路を決めました。
大学に入学してからは、ワンダーフォーゲル部に入部して山登りに大半の時間を費やしましたが、当時、建築家でありかつ登山家である人の書かれた著書を図書館で見つけ、読み始めたのをきっかけに、色々な建築家の書かれた著書を読むようになりました。「病院の設計を得意としている建築事務所に就職しようかな」、「大手鉄道会社などで都市開発に携わるのも面白いかな」等、様々なことを考えていましたが、多くの本を読んだ結果、「住宅が設計出来れば、どんな建築物でも設計出来る」という言葉に巡り合い、住宅の設計を目指そうという気持ちが固まってきました。決定的になったのは、さらにある建築家の書物の中で、「もし、20代、30代、40代それぞれの自分に、同じ施主様から同じ設計要望が与えられたとしたら、出来てくる作品は3つとも違うものが出来るはず。どれが良い悪いではなく、若いからこそ出来る設計と経験を積んだからこそ出来る設計があるということ」といったような内容の文章に出会ったときです。自分の向上心を満たせる、ライフワークとするに相応しい仕事であるに違いない、と確信した瞬間でした。
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