家づくりは、設計者だけでできるものではありません。施主様と設計者との共同作業であると考えます。そのためには、お互い話し合うことが一番重要であると思います。本音で語り合うことが大切です。とは言ってもお互い初対面の時からなかなか本音では話しづらいものです。そのために何度も話し合いを重ねることが必要でしょう。
私はよく雑談の中で、自分のこと、家族のこと、仕事のこと、好きなこと、嫌いなこと、美しいと思うことなど、色々話をしたり逆に聞いたりします。雑談って大切ですよ。意外とその中に重要なヒントが隠されていることがよくあります。また、そうすることからお互いの信頼関係が生まれ、施主様の想いが設計者の想いと重なり、いい家が生まれるのではないかと思います。 |
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設計を始めて16年になりました。今まで住宅を中心に、店舗・病院等おそらく500棟前後は設計し建築させていただいたでしょうか。
初めの頃は、施主様のご要望をどう形に創っていこうかと、“モノ”として家を捉えた考えを捨てきれずに悪戦苦闘してきましたが、今ではその“場・時”を大切にし、本来必要であるべきものは何かと考えながら模索を繰り返しています。場や時が持っている力や命をどう表現していくか。
例えば、天井が無いほうがその空間が生き生きしているとか、壁が無いほうが自然に一体化されるのではと、あるべきものの力を生かすために良い意味での“マイナス”化が頭の中を巡っています。(勿論本当に天井が無ければ雨が漏れますし、必要な機能は持ち合わせますが・・・・)
住まい手が自分らしく暮らし、生きていくために、その場でしか味わえない感動をいかに与える事ができるのか。
日々、自分との闘いです。
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施主様の夢を具現化するときに、「図面」を描いていきます。
施主様と話し合った点や自分の想いを具体的な設計図に落とし込む時、 1本の線にこだわりを持って描いています。「あと10センチ窓が移動すれば・・・」「あと3センチ天井が高ければ・・・・」と考えていると、ついつい時間が経つのを忘れてしまいます。図面の中の1本の線には全て意味があり、それらの線が実際の物質に変化するとき、その線が本来持っている力をそのまま表現することができるかが大切だと思います。工業化住宅であるが故の規制と闘いながら、最大限に施主様の想いを生かす工夫をしたいと思っています。私自身も10年程前に、積水ハウスで自宅を建てましたが、施主という立場からみて、10年経った今でも優れた住まいだと感じることができます。
時折、施主様から “是非、○○さんの家も設計してください”と、施主様の、お知り合いの方を紹介していただき、私を設計者としてご推薦をいただくことがあります。そのような時は本当に嬉しく、一段と気合いも入ります。そして次の施主様にも思いがけない感動をプレゼントしたい、と心に秘めながら、1本の線に命を吹き込みます。 |
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