当たり前のことかもしれませんが、私にとって家造りとは、住宅(ハウス)造りではなく、家庭(ホーム)の創造と捉えています。つまり、これから未来の家族の生活にわくわくしながら、どんなことが起こるのか、どのような拡がりを見せるのか、どう変化していくのか、そして現在の暮らしをどれだけ心地よい充実したものにできるのか・・・あれこれと想いをめぐらせ、家族でとことん話し合い、夢を語り、時には大喧嘩になり、また絆が強くなる。そんなプロセスこそが最も重要ではないかと思います。
家族の想いがたっぷりと注入されて完成した家は、きっとその家族の幸せのシンボルとして、飽きることなく愛され続ける存在になるでしょう。なぜならそこには「物語」があるからです。窓の位置、小さな収納、ドアのレバーの一つ一つに家族だけの「物語」がある。そんな家なら、決して他人の評価など入る余地のない、家族のための、心地よいパートナーになっているはずです。
私の役目は、ご家族の「物語」に入り込み、お手伝いをすることです。そんな中で、新しい生活によって全ての人の心が潤うような提案ができないか、私なりに理想を求めて日々勉強しています。もちろん私自身の心が潤っていることが大前提ですね。
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子供の頃、大人になったら何になりたいか?との問いかけに、いつも「春と秋の大工さん」と答えていました。春と秋、というのは暑くも寒くもない季節に、という子供なりのご愛嬌でしたが、本当によく大工さんが家を造っている現場を見ていた覚えがあります。また、何でも一人で造り上げて孫の私に自慢げに話をする祖父に、強い憧れもありました。
その想いは後に、私自身や大切な人の家を自ら創ることにより、「人生を明るく幸せにすることができるのではないか」と考えるようになっていきました。大学時代、就職活動の時期に、周りの同僚が皆ゼネコンへの就職を決めていく中、私は住宅に特化した企業である積水ハウスを就職先として選びました。
入社して15年程が経ちますが、私の設計としての経歴は5年と、決して多くはありません。それまでに、積算業務2年、営業業務4年、申請業務4年、と様々な部署で、本当に色々な経験をさせていただき、多くを学ぶことができました。設計業務においてそれらは何一つ無駄になることはなく、私の中の大切な財産となり、自信につながっています。 |
私自身、築10年の積水ハウスオーナーです。10年の経験で解ったこと、感じたことを今の仕事に活かす様に心がけています。最近思うのは、一戸建ては、住宅の中で最も地上に近い場所に建っているということです。つまり、家族だけの庭を持てるのです。これだけはアパートやマンションでは真似できません。そこで、家と同じ重要度で庭を考えることを提案します。
私が大好きなのは雑木林風の庭です。それはどこの国の物でもなく、日本特有の里山そのものだからです。高木、低木、宿根草を一度植えれば、ほとんど手入れ要らず。庭が建物を1ランク引き上げて見せてくれるばかりか、何より気持ちを優しくしてくれます。雑木林には、毎日違う季節があるといえます。
建物の素材についても、自然素材がいいように思います。ピカピカの綺麗な家は、掃除やメンテナンスをすることにより状態が保たれますが、例えば、むきだしの木の梁や柱は、日焼けや経年変化により飴色に変わっていく。家族の成長と共に、そんな家の移り変わりを楽しめる家が心地よいのかな、と最近は思います。
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