積水ハウス 一級建築士と実例作品のご紹介
お客様の潜在的な要求を汲み取る。

近頃はデザイナーズハウスとか建築家に注目が集まるようになり、私たち一級建築士にとってはうれしいことなんですが、本来、建築士というものはそんなに華やかな職業ではありません。お客様のご要望をひとつひとつ汲み取るだけでなく、言葉で言い表しにくい潜在的なご要望まで引き出してコツコツと形にしていかなくては、本当の意味でのお客様の満足は得られないのです。そのためには、お客様との密なるお打ち合わせはもちろんのこと、こちら側の知識やアイデアも豊かさが求められます。

実例写真(1)
実例写真(2) 旅+建築=世界の建築巡り

私の知識やアイデアの源と言っては大袈裟かもしれませんが、「旅」が好きでよく海外の建築物を訪れます。ローマ、パリ、ネパール、スイス、イスタンブール…。もちろん海外だけでなく日本の建築物も見るのですが、海外の建築物からは多くのことを学ぶことができます。例えばイスラムの礼拝所であるモスクなどは曲線と色使い等で優美かつ静粛な空間を生み出しており、それだけでも感動に値するのですが、どのモスクも必ず礼拝の中心地メッカのカーバ神殿に軸線が向くように建てられていると聞いて、建築と人類の奥深い関係に触れた気がしました。ただ単に、その土地にポンと建てるのではなく、そこには必ず意味があり、そしてその地域に根ざしているからこそ人々を引きつけるのだと思います。

ピーター・ズントーの作品に感激。

世界的に有名な建築家ピーター・ズントーにも影響されました。以前から気になっていたため、実際にスイスにある有名な「ヴァルスの温泉施設」に足を運んでみました。地元原産の石だけを使って建てられた施設はまさに地域に根ざしており、しかも館内には時計もサインもなく、決まった順路がないんです。好きに移動することが可能ですが、実は山側から光の方に向かっていくと自然と浴場を巡れるようになっているのです。そんな計算は、ふつう考えもつきません。ピーター・ズントーが言う、「光のために設計したのではなく、きちんと設計すれば光は必ずうまくいくものです」との言葉も、実際に施設を見ると納得できます。

実例写真(3)
実例写真(4) ご家族が楽しく住める家であること。

その他のピーター・ズントーの作品を見ても比較的地味にコツコツと取り組んでいる様が伺えます。木が産地の土地には木の教会を作ったりと徹底して地域の特性を生かしているのも特徴です。私も決して派手ではなく、地域や街並みを考慮しながら設計していきたい。そうそう、以前に私が手がけた家の前を通りかかった時、そのご家族が楽しそうに住まわれている光景を見ました。その時は本当にうれしかったですね。コツコツとやる、その姿勢でいいんだと確信しました。楽しく住める家、それは必ず次の代にも引き継がれていく家だという信念とともに。

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