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観光業を中心として地域振興活動に取り組み、リゾート施設などの企画・開発を手がける松橋京子さんに、
ホテルづくりに携わってきた経験・視点をおうかがいし、住まいづくりのヒントを探りました。

 

伹木

4年ほど前、札幌支店に赴任してきてすぐに、当時、松橋さんが支配人を務められていた定山渓のホテルに泊めていただいたのですが、一つひとつのきめ細かな気づかいにとにかく感動しました。私たちも、お客さまに同じような感動を与えることはできないものか。そう考え、ホテルのアンケートを参考に、個別にお手紙を送るようにしたところ、高い評価をいただけるようになったんです。そのことでずっと、お礼をお伝えしたいと思っていました。

松橋

とんでもございません。支店長自ら、お客さまにお手紙を書くなど、なかなかできることではありませんし、それはきっと、気持ちが伝わったからこそのことだと思います。

伹木

住まいづくりのなかでは、対応を含めて至らないことも多々ありますし、それがご不満につながったりもしますが、問題があっても一つひとつ、真摯に対応していくことで、お客さまの満足を高めることはできるし、それが支店のスタッフのモチベーションにもなることを学ばせていただきました。

松橋

定山渓で私がお手伝いさせていただいていたホテルグループでは、お客さまの声──アンケートの結果が毎日、点数化されて示され、評価が低いとすぐに原因を探り、解決していくという手法で〝おもてなし〟の質の維持を図っていました。苦情などには即、対応するなかで、スタッフ名を添えてお礼の言葉をいただくことも増え、サービスへの意欲がさらに高まっていく。それは確かに、ホテルに限らないことなのかも知れませんね。

伹木

一流のホテルになると、ゲストの履歴を各スタッフが共有し、次回宿泊された時には知己の友人のようにもてなすというホスピタリティがありますよね。それを参考に、お客さまの趣味や嗜好、お考えなどを営業から設計、コーディネーター、工事スタッフまでが把握して、個別に対応していくということも、心がけています。

松橋

おもてなしというのは、〝期待を裏切る気づかい〟だと私は考えています。あのホテルなら、これくらいのサービスは受けられるだろう。そうした期待を越える、あるいは予想もしなかったおもてなしを受けることが感動につながり、付加価値になっていくんですね。

伹木

人が直接関わるサービスの他に、ホテルの場合はその空間や設えも、おもてなしの要素として重要だと思うのですが、どういった視点で環境づくりを行っているのでしょうか?

松橋

テーマやコンセプトに沿いながら、ホテルとしての個性、特徴をいかに表現するか。それがポイントといえます。たとえば、支店長にご宿泊いただいた定山渓の施設は森がテーマ。エントランスに続くラウンジには、象徴的な大きな暖炉を中心に、大木をイメージしたオブジェを設えるなど、森と自然の循環を表した開放的な空間をつくりました。