東の庭の家 群馬県

CONCEPT

車通りの多い道路が隣接し、南側に駐車場や商業施設が見える建設地。
その地でオーナーが希望したのは別荘のような安らぎの場所でした。
生活空間としての母屋は別にあり、新居はゲストをもてなし、家族が日常を忘れられる空間に。
そこで、あえて南側を閉じ、東側に庭を配して広々としたテラスで室内を一体的な空間としています。
さらにコートを設置することで南側に開口部がなくとも光は室内の隅々に。
一歩室内に入れば、外の喧噪が嘘のように静まる。
非日常の空間が訪れる人、そして家族を迎えます。

東側の庭とリビングダイニングは広々としたテラスで繋がれ、開放感あふれる空間に。テラスにはガーデンファニチャーを配し、床のタイルは室内と統一。内と外の一体感をつくり、まるでテラスまでがリビンクであるような感覚を創出しました。

PLAN

非日常的空間への第一歩は中庭を介しての玄関へのアプローチとしました。
南側から自動ドアを開けて入ると、そこは中庭兼玄関ホールであるコート。
1階はこの場所を囲むようにコの字型に配置しています。
東側を見ればリビンクダイニング、テラス、そして東の庭まで見通せ、格子がゆるやかに室内を区切ります。
中庭のコートを設けたことで、南側を閉じながらも光が住まい全体に回ります。
さらに中庭、リビングダイニングそしてテラスの床まで同じタイルとしたことで住まい全体も一体感のある空間に。
風も通り抜け、家の隅々で開放感が味わえます。

玄関コート約半分は軒下となっており、ここにテーブルと椅子を置いて、ゲストを応接することも可能。リビングとの出入りもスムーズで、気軽に使える戸外の空間としています。

DESIGN

オーナーが新しい住まいにもうひとつ求められたのは訪れた人に強い印象をもたらし特別な時間を過ごしてもらえる「魅せる家」であること。
そこで庭の光景の“フレーム”ともなる室内のデザインにもこだわりました。
中心に考えたのはオーナーお気に入りのバカラのシャンデリアやウォールライト。
これが調和しつつも引き立つように、キッチンやテーブルもチョイス。
インパクトのある構成としています。
また凹凸の異なる石壁を効果を考えながら配置。
照明によりその凹凸のテクスチャーが強調されることで、重厚な上質感を高めます。
庭の眺めと室内のデザインの相乗効果で非日常感に包まれたもてなしの空間となっています。

リビングダイニングの北側の一角に設えた、柔らかな光が射し込む畳スペース。扉を設けず開放的に。格子の仕切りはアクセントにもなっています。

洗面室には様々なテクスチャーのタイルを配していますが、黒でまとめたため、上質で落ち着いた空間となっています。

FACADE

南側からの外観は、フラットな屋根と下屋により水平ラインを強調してシャープなシルエットに。
南西角のバルコニー部分をハイウォールにすることで、外からの視線を遮りつつ、迫力あるボックスとなって、佇まいに風格をもたらします。
ダインコンクリートによる質感あふれる外壁が、街並みの印象をも大きく変えました。
交通量の多い道路が走り駐車場もある南側のファサードは、内に非日常の空間を包み込み、外に新たな風景を創り出しています。

SPECIAL

東の庭には、樹種を厳選し、四季折々に美しく展開する光景を創出。
その先の緑地も借景として視線を誘います。
メグスリノキやカツラ、桜、冬桜など、四季折々に目を楽しませる庭木を室内から存分に堪能するためにバランスよく配置。
枝振りにも配慮して、冬も趣のある風景に。
その庭を心ゆくまで日々の暮らしで味わうために、柱を極力目立たなくし、水回り以外には扉を設けず、自然と一体となる大空間を構成しました。
どこにいても、別荘にいるような贅沢な非日常感が感じられる住まいとしています。

東側からの外観。深い軒を創り出す水平のラインを印象的に。庭の木々は下からの照明で夜も美しく、雪景色も格別です。